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ERP5の5つの要素をおさらい

ERP5の最大の特徴であり、一番大事な考え方である5つの要素についておさらいします。
  • Last Update:2016-08-19
  • Version:001
  • Language:ja

Nexediが開発する「ERP5」とその他のERPとの決定的な違いはそのデータモデルです。「ERP5」の「5」の由来でもあるこのデータモデルについて解説します。

ERP5はNexedi CEOのJean-Paul Smetsが考案した統合ビジネルモデル(Unified Business Model)を使って現実のビジネスをコンピュータ上に抽象化して表現します。

このモデルでは5つの要素で現実のビジネスを表します。5つの要素とは下の図にある「Resource」「Item」「Node」「Movement」「Path」です。

Resource

「Resource」は概念上のモノやサービスなどのことで、動かしたり所有したりできるものです。概念上の存在ですから一つのモノやサービスについて個々の区別はありません。上の図の「商品カタログ上のスマートフォン」「マッサージサービス」「貨幣としての日本円」はResourceの例です。個々の区別をする必要がないならResourceを使ってERPを構築しましょう。例えば、新品のスマートフォンを売っていて、スマートフォン一台一台を区別する必要がないなら、Resourceでスマートフォンをモデル化すればよいです。

 

Item

「Item」は「Resource」が具体化したものです。具体化していますから個々の区別があります。上の図では「私が手で持っているこのスマートフォン」「私がいま持っている千円札」はItemの例です。個々の区別をする必要があるならItemを使ってERPを構築しましょう。例えば、中古のスマートフォンを売っていて、一台一台を区別する必要があるなら、Itemで中古スマートフォンをモデル化すればよいです。

 

Node

「Node」は「Resource」や「Item」を所有することができる存在のことです。上の図の「勘定科目」「田原悠西という人物」「建物」「株式会社Nexediという法人」はNodeの例です。勘定科目は概念上の存在ですが会計上の数字(例えば日本円というResource)を格納する入れ物です。個人は物理的なモノや概念上の権利を所有します。建物は物理的なモノを格納できます。法人は権利を持つことができます。顧客やユーザや従業員といった人、自社や営業所や取引先や倉庫といった組織、勘定科目などはNodeとしてモデル化します。

 

Movement

「Movement」は「Node」間の「Resource」や「Item」の動きを表現するためのモデルです。見積書、注文書、請求書、出荷、入荷、領収書、サービスの提供、会計伝票、倉庫間移動、製造、原材料払出などはMovementで表現します。

 

Path

「Path」は「Node」間の約束事を表現するためのモデルです。契約、あらかじめ設定した販売価格や仕入価格、コンピュータシステムのコード変換表などはPathで表現します。

 

ERP5でアプリケーションを構築するときには、かならず対象のビジネス活動をこの5つの要素を使ってモデル化します。ERP5はこの5つの要素を組み合わせてエンタープライズアプリケーションを構築するプラットフォームです。この統合ビジネスモデルを正しく理解して使うことでERP5を使っていつまでも破綻なく拡張し続けられる柔軟なシステムを作ることができます。